最近、いや数年前からか、「・・・してもらってもいいですか」という表現をあちらこちらで耳にするようになった。おそらく、出張先でも耳にするので、全国的に“普及”しているのであろう。
これは、「・・・していただけますか」や「・・・してください」等の依頼表現の“新”代替表現と考えられるが、人生半ばを過ぎたと言われる私の語感には馴染まない。
言葉はそれが用いられる地域の思想、信念、価値観、総じて文化と連動しながら、絶えず変化・変容するものだ。もちろん、淘汰されずに現代へと継承され続ける表現もある。それでも、生物の知や体の進化と同様に、変化変容することは不思議ではない。
近い将来、「・・・してもらってもいいですか」と尋ねられ、素直に応答できる日が来るかもしれない。
その時は、私も生物として環境に適応し、“進化”したと実感できるのかもしれない。
なお、「・・・してください」や「・・・していただけますか」を英語で表現すると、一般的には
Can you do ~ ?
Could [Would] you do ~ ?
あたりでよいであろう。
「・・・してもらってもいいですか」のニュアンスをだすのであれば、
Can I ask you to do ~ ?
にして、「・・して[する]の動作の主体」に「(して)もらってもいいかどうか」を自分が“あえて”尋ねるということでその雰囲気がでるかと思われる。もっとも、この英語表現は正当なものであり、違和感を覚える
ネイティブスピーカーは少ないであろう。
また、上記と関連して、「・・・してもらっても大丈夫ですか」という表現も耳にするが、これは
Is it OK to ask you to do ~ ?
などになるであろう。