2012年10月21日日曜日

祥風


■今日もさわやかな秋晴れが広がっている。とても気持ちがよいものである。この季節、茶の湯の世界では、「祥風」という銘をあてることがある。「祥」にはよころばしい(こと)、よろこばしいことの前ぶれ[兆し]、という意味がある。つまり、「祥風」とは、「よろこばしい(ことの)風」もしくは「よろこばしいことを運ぶ風」といったところであろう。(他の例として「不祥事」とはまさに「よこばしくないこと」ということ)
 茶道ではまもなく炉の季節となり、一般的にも慶春を迎える準備を始める頃となる。日本と日本の文化観を伝えるにふさわしい言葉の1つである。個人的にも好きな言葉であり、この季節の銘の1つとして選ぶことにしている。
 来週から勤務先で学園祭が催されることになっている。顧問を務める裏千家茶道部も茶室を設ける予定である。今回は正座に慣れていない方にも茶道の雰囲気を楽しめるようにと考案された立礼という座って行う点前となり、御園棚を用いる。日ごろ賑やかな学内の一室を借りてそこに茶室を設置するわけであるが、この時ばかりは、学内に「祥風」が流れているように感じるのは、筆者だけであろうか。■

 ※参考画像:御園棚(商品購入サイト画像)

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