2013年5月23日木曜日
茶の湯のことば―お相伴させていただきます
■茶会における主たる[最上位の]客のことを「正客」(しょうきゃく)と言い、その連れの客(正客と一緒にもてなし受ける客)のことを「相伴」(しょうばん)と呼び、正客の相手をつとめ、同様にもてなしを受ける、という意味としても用いる。
お茶席では、まず正客に(濃茶であれ、薄茶であれ)お茶が出されるわけだが、次客(正客のとなりに座る二番目の客)がいただく際に、正客(通例右隣)と自分との間(縁(へり)の内側)に御椀を置き、そこで「お相伴させていただきます」とひと言かけてからいただくことになる。
相伴とは、正客の連れとなる[同席する]客であり、「相客」(あいきゃく)とも言う。これは、利休七則にある「相客に心せよ」の「相客」である。つまり、同席した客同士、互いに気配りや思いやりを示し、心の通じ合いを大切にしなさい、といった意味が含まれているのであろう。「縁(えん)」や「一期一会」にもつながる考えである。
「お相伴させていただきます」、こうしたひと言も声をかけた相手(正客)に対する心遣いであり、(もてなしを)ご一緒させていただきますということの確認であり、感謝の気持ちの一端であるとも言えよう。日本語による心豊かな通い合いである。■
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