2014年3月1日土曜日
茶の湯のことば―茶事
■茶の湯の基本は茶事と呼ばれる、前半に懐石(食事)、中立ち(休憩)を挟み、後半に濃茶、薄茶(喫茶)をいただくことであり、これらを通じて時を楽しむものである。茶事は、「正午の茶事」が一般的且つ正式なものであり、いわゆる昼食をともなうものである。その他、暑い夏に早朝の涼を感じながら催される「朝茶事」、冬の夜長を楽しむ「夜咄・夜会」、前夜からの残りの灯りの風情を楽しむ「暁の茶事」、茶の湯世界の正月とされる11月の炉開きのころ、新茶の壺の封を切る「口切りの茶事」、椅子と点茶盤(点前用)、喫架(客用机)等を用いた「立礼茶事」などがある。
こうした正式な茶事は通例数時間かかるため、現代社会では、それを催すのは容易ではなくなってきており、懐石を省略し、喫茶のみに簡略化した茶会が一般的となっている。また、茶道教室における日々の稽古においても、そうした事情に合わせるかのように、喫茶の部分が中心となってしまっているが、本来は炭の扱いから、懐石についての知識や所作も稽古する必要があるのだ。■
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■茶会における主たる[最上位の]客のことを「正客」(しょうきゃく)と言い、その連れの客(正客と一緒にもてなし受ける客)のことを「相伴」(しょうばん)と呼び、正客の相手をつとめ、同様にもてなしを受ける、という意味としても用いる。 お茶席では、まず正客に(濃茶であれ、薄茶であれ...
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■以前にも取り上げたが、千利休の教え[茶の心得]である利休百首におさめられているものに 「 稽古とは一より習ひ十を知り十よりかへるもとのその一 」 というのがある。これは、日々精進を重ね、一から十まで習ったとしても、またはじめての一に立ち返ることで、習得したことに...
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■今日もさわやかな秋晴れが広がっている。とても気持ちがよいものである。この季節、茶の湯の世界では、「祥風」という銘をあてることがある。「祥」にはよころばしい(こと)、よろこばしいことの前ぶれ[兆し]、という意味がある。つまり、「祥風」とは、「よろこばしい(ことの)風」もしくは「...