多くの方がご覧になったかと思うが、アメリカ大リーグのワールドシリーズ(優勝決定戦)において、松井秀喜選手の大活躍でNew York Yankeesがワールドチャンピオンに輝いた。外国で、しかもあのような大舞台で力を最大限に発揮し、しかもMVP(最優秀選手)にまで選ばれたことは、日本人として誇らしいことだ。日本での報道は予想通り各紙とも賞賛の嵐だったが、現地での評価が気になっていくつかのインターネットサイトをチェックしてみた。日本同様、現地でも松井選手の大活躍を賛美し、関連記事や写真が大きく取り上げられていた。伝統紙あるNew York Times紙までもが一面に松井選手のホームランの瞬間の写真を掲載していたのは驚きであった。
数々の記事の中で、気になったのが次の一文である。
"On this November night, Matsui delivered a sublime performance at the plate that must have made Mr. October proud."( by Mike Fitzpatrick, the Associated Press)
特にsublime performanceが目にとまった。一般にはperformanceはgreatやbeautifulなどと結びつきが多いが、あえて今回の松井選手の活躍をsublimeとしたことは興味深い。sublimeとは、単に(表面上)すばらしいとか、すてきであるとかという意味ではなく、それを感じる者の心の内深くに響くようなすばらしさや見事な様をもつ事象に対して用いられるようだ。その意味で、今回の松井選手の活躍がYankeesファン、地元市民、そして日本人の心の内までも揺り動かしたことは、まさにsublimeなものであったと言えるであろう。