■暖かい陽気の中、昨日は節分であった。ご存知のように、節分とは季節の節目[変わり目]であり、現在では立春の前日を指すようになっている。かつて季節の変わり目には邪気が入りやすいという見方があり、それを追い払うために宮中行事の名残りとしての豆まきが普及したと考えられている。筆者は、節分を迎えると、すぐに入試、卒業式と続き、新学期の準備に追われながら、気がつけば桜開花のニュースとともに入学式の案内が入る、という感覚をもっている。筆者にとっても、まさに節分は春に結びつく節目の時間なのである。
ところが、今日昼過ぎから勤務先一帯が雪に覆われたのだ。その時間はそれほど長いものではなかったが(夕方には落ち着き、明日の朝にはさほど残っていないであろう)、ここ数日の暖かさとは一変した様子に、ちょっとびっくりした。「春浅し」とは、今日のような1日の思いにあてる季語として用いてもよいであろう。■
白き皿に絵の具を溶けば春浅し
夏目漱石
立春の空や木の芽と、春色が整わない様子が感じられる。