2014年2月14日金曜日

日英言語文化小論(23)【バレンタインとValentine】




■過日立春の雪を話題にしたが、先週に引き続き、今週末も大雪だ。(自然)環境の変化に筆者も含め、近隣一帯は対応に追われている。しかも勤務先では入試も控えており、迅速且つ適切な除雪作業等が求められる。頭の痛いところだ。
 そうした中、通常の学生諸君、とりわけ男子学生は、今日214日をそわそわと過ごしたことであろう。一般にバレンタインデーと言われ、その起源は3世紀、時の皇帝Claudius IIが治めていたローマ帝国にまでさかのぼる。一説には暴君とまで呼ばれたClaudius IIは強固な軍隊の構築を目指したが、家族や恋人の存在が兵士の士気に影響することを懸念し、婚姻を一切禁ずる法律を発令した。そうした中、Valentine司祭は、何人も(人を)愛する自由が侵されるべきではないという信念を貫き、秘密裏に婚姻の儀を執り行い続けた。ところが、ある日その事実が発覚し、囚われの身となってしまった。そして、Claudius IIは、彼をキリスト教からローマ神教へと改宗するよう命じたが、それを拒んだことにより、Valentine司祭は投獄されてしまった。その後、彼に仲をとりもっていただいたカップルを中心に多くの若者が面会に訪れた。その中に、看守の娘で盲目の女性がいた。彼女は収監中のValentine司祭を励まし、精神的に支えたのだ。その姿勢にValentineも彼女(の目のこと)を祈り続けたのであった。そしてついに奇跡がおき、彼女視力を取り戻したのであった。
 Claudius IIの命令に背き続けるValentine司祭に、ついに死刑が宣告され、214日がその日となった。処刑当日、Valentine司祭は、彼女に最後の手紙を宛てたのであった・・最後に"From your Valentine"という署名を遺して。これこそが、バレンタインデーのはじまりである。こうして最後まで真実の愛とそれを享受する自由が何人にも与えられるべきだという信念を貫いたValentine司祭をたたえ、彼は愛守護聖人として今日に至っている。つまり、214日のバレンタインデーは、愛のために殉教したValentine司祭の命日なのだ。そして、大切な人にメッセージを伝えることが重要なのである。単チョコレートをわたす日などと考えるだけではなく、こうした歴史をふまえ、ホワイトバレンタインとなった214日を過ごしてほしいものである。そして、いまからでも大切な人に"From your Valentine"のメッセージを送ってみては(現代は送信か・・)どうであろうか。なお、より親密特別人(になってほしい方)であれば"Be my Valentine"という表現もある。なお、チョコレートを贈るという慣習は日本発祥とされており、1936年神戸の老舗洋菓子店モロゾフの新聞広告がきっかけと言われている。欧米では、Valentine's Day Cardを中心に、本や花を贈るという習慣をよく聞く

※以前本ブログでも触れたが、英語(文化)圏と比較し、日本(語文化圏)がコンテキストに依存する高コンテキスト言語文化圏であるとするならば、チョコレートや類似の菓子類に愛のメッセージ性を内包させるという姿勢は十分理解できよう。


【お知らせ】研究ブログを移動しました!

 本研究ブログの容量がいっぱになりましたので、新研究ブログを立ち上げました。 心機一転、研究ブログを再開したいと思います。引き続きどうぞよろしくお願いします。 新研究ブログは こちら