2013年11月13日水曜日

ちょっとひと息―あぶり餅


■京都を訪れると、千利休の菩提寺をもち、茶道の聖地とされる大徳寺を必ず参拝する。そして、千利休作庭の枯山水庭がある塔頭*「黄梅院」を(拝観時期であれば)拝観させていただくことにしている。境内は撮影禁止のため、見事な庭園の造りをお見せできないのは残念ではあるが、いつもながらの日本的様式美に心が清められる。

黄梅院の紅葉

 その晩、京都在住の知り合いの先生と食事の予定があったが、約束の時間まで2時間ほどあったので、少し先にある今宮神社も参拝することにした。もっとも、不謹慎ではあるが、目的は参拝というよりも、その手前にある名物「あぶり餅」を食することであった。このあぶり餅は絶品で、なんとも言えないやわらかい、落ち着く味である。一般に、全国の有名神社仏閣の門前町には名物がある。同じ京都八幡市にある三大八幡宮の1つ石清水八幡宮には「走井餅」、福岡太宰府市の大宰府天満宮には「梅が枝餅」、東京浅草の浅草寺には「人形焼」がある。そして、今宮神社といえば、この「あぶり餅」である。食事会が控えていたが、あまりのおいしさにもう一皿、おかわりをしたところ、2本(もっとも1本のおもちのサイズはこぶりだが^^)おまけしてくれた。ちょっとした心配りに、思わず頬が緩んでしまった。


門前名物「あぶり餅」(今宮神社)
※上に2本の串が水平になっているのがわかる。おまけの分ということだそうだ。

なお、あぶり餅の店は神社に向かい、左右2軒しかない。今回は神社にむかい左側の店の方に声をかけていただいたので、そのままそちらでいただくことにした。■


*塔頭(たっちゅう)とは、(主に)禅寺の高僧の死後、子弟が師である高僧の徳を慕い、近く(「頭(ほとり」)でお守りする為に建てた小庵(侘び住まい)のこと。その後発展して、大寺院の敷地内にある小院に対して用いられるようになった。





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