九州を中心としてRoyal Chesterという婚礼を主な事業とする会場施設がある。(北関東にも一部あるようだ)
その名の通り、館内はどれもイギリス王室を意識した造りこみになっている。その施設を単体として見た場合、なかなかの造形美があり、美しいのだが、町並みとの整合性は気になるところだ。建築デザインにはそれほど詳しくはないが、どこか肉食系的なボリューム感がある。
ところで、デザイン以上に気になったのが、その名称である。
Royal Chester(ロイヤルチェスター)
確かにカタカナ語としての響きはよい。なんとなく、一般の方でも立派な名称であることは認識できるであろう。
Royalはしばしばメディアでもカタカナ表記されるように、イギリスなどの王室を意味する。語源もおそらく古フランス語のkingに相当する語であろう。
chesterは、サッカーで有名なManchester United(マンチェスターユナイテッド)や、Winchesterなどのように後置要素としても見かける。
chesterは、ローマ世界のlegion(軍隊;軍団)と関連し、"city of legion"(軍隊[軍団]の町→城砦[塞])ということらしい。castle(城)とも語源的なつながりがあるようだ。
そう考えると、Royal Chesterは「王の城砦[塞]」ということになろうか。
もっとも、当のロイヤルチェスターは、おそらく、chesterを地名から取り、「王の(町)チェスター」あたりのニュアンスを感じとって、そう名付けたのであろう。
ちなみに、Royalはpalace(王宮)、wedding(王室の結婚)、family(王室[家])、Navy(イギリス海軍)等、地名と結びつくことはそれほど多くはなく、地名との結びつきは磁器で有名なRoyal Copenhagenのように、ブランド名として用いられることが多いように思う。