2012年3月20日火曜日

スマホ


最近では、どこでもスマートフォン[スマホ]を見かけるようになった。ちょっとしたバブル状態といってもいいくらいだ。学生のみならず、学生の保護者世代ですら、標準的な手帳サイズの液晶画面上をflickしている。筆者は、まだ老眼メガネの世話になるほどではないが、あのサイズ程度の液晶画面内に表示されるウェブサイトを閲覧することに心地よさは感じない。情報収集目的の閲覧であればタブレットサイズ(7~10インチ)は欲しいところだ。スマホサイズはメール確認とちょっとした検索程度が適正かと思う。
もっとも、この手の話題は個人差が大きく、かなりライフスタイルや価値観等に左右される。それを踏まえて話を続ければ、簡単なネット検索であれば前回取り上げた従来の゛ケータイ゛で十分対応できるだろう。しかも、通話やメール中心であれば、なおさらだ。一部のハイエンドユーザーを除いて、多くのスマホユーザーはその機能を十分に活用するというよりも、スマホを所有する喜びを優先しているように見える。特に若年層で顕著のように感じる。確かに周囲の友人が持っていれば、自分も持ちたいという心理はわからなくもない。
そもそも、ケータイが独自のネットワーク(ドコモ社のiモードネットワーク等)の活用に必要な大抵のアプリ(application software)がプリインストールされているのに対し、スマホは自分の好みに応じてアプリをインストールしていく必要がある。つまり、自分でカスタマイズすることができる[しなくてはならない]のだ。したがって、それなりの知識は求められる。とはいえ、情報工学的な専門知識が必要というわけでもないようだ。日頃から(抽象的ではあるが)そこそこパソコンを扱っていれば、対応可能であろう。
パソコンに苦手意識がなく、積極的に自分の情報ネットワーク環境を構築していこうという意欲があり、手帳サイズ画面のネット閲覧が苦痛でないのであれば、スマホ利用は有効と考えられる。もし、通話とメールが中心で、また、簡単なネット検索で不満がないという方であれば、従来の"ケータイ"でも十二分に高度情報化社会との橋渡し、つまり情報通信メディアとして機能すると言えるであろう。実際、スマホは標準的な料金プランがケータイに比べ割高(平均1500円程度の差額)だ。特に外回りの営業職のような方や一部のネット依存症的ユーザーでなければ、上述したように、通話、メール、簡単なネット検索は定額プランのケータイで、地図や本格ネット検索はゆったり画面のタブレット端末を無線LAN接続で活用するのがお財布にもやさしいであろう。もちろん、本格的な資料作成、調査研究、(静止画・動画含む)編集作業には通常のパソコンを利用するという前提だ。
重複するようだが、モノの価値というものはそれを評価する方によって決定されるという一面がある。たとえ、割高な料金プランであっても、画面が小さく感じても、片手でのflick操作が容易でなくても、コンピュータ操作に自信がなくても、時代の潮流の代名詞的存在である゛スマホ゛を持ちたいという気持ちも、1つの価値観であり、スマホを利用する理由と言えるであろう。

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