2012年3月15日木曜日
“ケータイ”
3月、4月は人生の節目となる方が多いことであろう。卒業、入学、転勤、入社等々。。。そうした際に、身の回りのものを一新することがよくある。その1つに携帯電話が挙げられるよう。ここ数年、急速に日本の携帯電話、いわゆる“ケータイ”事情が変容してきている。かのアップル社のiPhoneの登場を機に、スマートフォン(スマホ)市場は拡大の一途をたどっている。筆者の周囲でも(あくまでも個人的印象ではあるが)7,8割はスマホユーザーのように感じる。もっとも、実際はその逆で、スマホユーザは3割、残り7割が従来型の“ケータイ”電話である。(それも、2014年度末には逆転され、過半数がスマホユーザーになるとの予測があるようだ)
ところで、話題のスマホは英語の"Smart Phone"をそのままカタカナ表記した”スマートフォン”を崩した表現と言える。スマホは、(簡易的)情報処理能力を持ち、且つ通信通話機能を備えた小型情報通信機器であり、高機能携帯電話である。ちょっとしたデータ処理等であれば、スマホでさっと対応できるのが魅力だ。しかも、アプリ[Application]と呼ばれるさまざまなソフトウェアをインストールすることで、個人のニーズにあった機能を拡張できるのも特長的だ。
一方、従来型の”ケータイ”電話は、通話とメールの送受信が主である。それでも、スマホの急速な普及にともない、スマホに準ずる機能を組み込んださまざまな機種が登場してきている。そうした従来型ではあるが、多機能型”ケータイ”電話のことを"Feature Phone"と呼び、カタカタ表記で”フィーチャーフォン[ホン]”とされることが多い。実際、無線LAN機能を備え、タッチパネルに対応したスマホ相当の機種もある。Featureとは英語で「特徴;特色」といった意味であり、スマホに準ずる機能はあくまでも(通話やメールを主とする)”ケータイ”電話の特徴であり、特色であるという意味が含まれているのであろう。
こうした点から見ると、スマホの情報処理機能は、もはや通信機能と同等の扱いであり、そうした情報処理機能がFeature扱いである従来の”ケータイ”電話とは、一線を画すものと言えよう。
なお、一部では従来の”ケータイ”電話をガラパゴス諸島の生物にたとえ、”ガラパゴスケータイ”(俗称ガラケー)と揶揄している。これは先の多機能性がきわめて日本的であり、世界基準からはずれていることに由来するのであろう。事実日本の”ケータイ”電話の多機能性は、国際的見地からすれば孤立感は否めない。それでも、そのまま英語をあてて"Galapagos Cell [Mobile] Phone"*としたところでは、意味が分かり難いであろう。"Feature"するような機能を有しないシンプルな従来型の"ケータイ"電話であれば、現時点において「普通の;標準の」を意味する"Regular Cell [Mobile] Phone"**でよかろう。"Conventional Cell [Mobile] Phone"という表現もみられるが、前者の方がより平易明解に感じる。もっとも、いずれスマホが"Regular Phone"になる時代もそう遠くはないのかもしれない。。。
*一部の英語文化圏メディアは、日本的英語としてGalapagos Phoneを紹介している。
[http://blogs.wsj.com/japanrealtime/2010/06/11/113-not-in-japans-galapagos-phone-market/]
**"Regular Phone"は携帯電話に対して固定電話を指すことがある。現在の通信環境では、まだCell[Mobile]を明記する必要があろう。
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