今回の大震災など、緊急時のコミュニケーションメディアとしてtwitterがこれまで以上に注目された。そのtwitterは文字数がかなり制約されたテキストメッセージ中心のメディアである。画像も投稿可能ではあるが、基本テキストによる発信が主であろう。特にユーザーが体験・経験している“今”の事実や事象といったローカル情報の発信に有用に思える。例えば、首都圏における震災直後の電車の運行状況やガソリンスタンドの待ち時間などである。そもそもtwitterとは「(小さな)鳥のさえずり→(人の)つぶやき」という意のtweetに由来するようだ。気軽に見たこと、感じたことをテキスト発信できる、というのがtwitterの特性の1つと言える。
そうした字数の制約があるテキスト中心のメディアでよく見かける表現の1つに「・・・なう」がある。これは場所や動作・行動などを前置要素にとり、「・・・(場所)にいるよ」、「・・・(動作・行動)しているところだよ」といったニュアンスである。おそらく字数対策としての短縮化の工夫であろう。
学生の例をとれば、
「学校なう」→「いま学校だよ」(場所)
「ランチなう」→「ランチを食べているところだよ」(動作・行動)
インターネットの掲示板やブログ等のメディアでもそのサイト特有の表現というものはある。時代の変容とともに、新しいメディアが登場し、それと同調するかのように、新表現がうまれてくる。そして、広くユーザーや社会に認知されていくことがある。たとえ、それが文法的に不適切であったとしても。。
“ことば”の造語力は興味深いものだ。