2011年5月8日日曜日

クロスメディア

ある事象の意味内容を伝達可能なカタチとしたものとして“情報”があり、テキスト[言語情報]はその1つであろう。テキストは記号のセットであり、それはある規則性によって語や文が成立している。しかしながら、テキストはある事象や実態を捉える分節化された“像”でしかない。そこには、事象や実態を映し出す音、静止画像、映像などはない。実際にある事象や実態を経験しない限り、それらの本質を理解することはきわめて困難である。そこで、できる限り、そうした事象や実態の本質を理解するために、さまざまな形式で情報にアプローチすることになる。その基本的なカタチがテキストであり、その代表的な情報伝達媒体は新聞であろう。時に新聞には静止画像を掲載することで、ある事象や実態の意味内容を効果的に伝達することができる。それでも紙媒体としての新聞では、そこまでである。

近年ITの発展により、多種多種な情報伝達媒体が登場した。その中心はインターネットであろう。インターネットはテキストをもちろんのこと、音声、画像、映像を同時に経験することが可能だ。しばしばマルチメディアと言われるのは、こうした特性からである。ただし、インターネット環境は、利用者がその環境を構築(自宅であれ、外部環境であれ)し、それを活用する必要がある。最近では携帯電話やスマートフォンと呼ばれる多機能携帯電話でもインターネット環境は構築されるが、限定的な一面がある。そうした中で、最近注目されているのが、クロスメディアである。これは、最初はテキスト情報であっても、そこにインターネットや動画情報のアドレスを掲載したり、QRコードを付与したりすることで、次の情報へと発展的に導く仕組みやその方法のことである。ある1つの事象や実態の本質を複数のメディアで横断的に捉えようとするところからcross-mediaと呼ばれているのであろう。特に、クロスメディアは宣伝・広告等で有効と考えられている。これまでもあった付録としてのCDやDVDはクロスメディアの(初期の)1例と言える。

今後twitterやfacebookの普及により、ローカル且つパーソナル情報もクロスメディア化がすすむことであろう。それにともない、世界のあらやる事象がリンクされていくことが推測される。


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