2013年10月30日水曜日
日英言語文化小論(15)【fist pump】
■現在、米国メジャーリーグも佳境に入り、ボストンレッドソックスが今日の勝利で”ワールド”チャンピオンまであと1勝となった。そのレッドソックスの快進撃を支えているのが上原投手と田沢投手の2名である。そこで、二人の印象的なシーンの1つに、相手打者を三振等で打ち取った際にとるポーズ、いわゆる「ガッツポーズ」である。諸説ある中で、元プロボクサーのガッツ石松選手がとった勝利の表現に由来とする説が有力である。いわゆる和製英語であるが、ガッツの英語gutsには、「勇気、根性」といった意味を持つ。
さて、その「ガッツポーズ」であるが、上記の日本人投手に限らず、米国人選手も同様の表現で感情を示すことがある。英語では、"fist-pump"や"pumping one's fist"が相当する。ただし、「ガッツポーズ」が拳を1,2度突き上げたり、体の前に腕を伸ばして止めることが多いのに対し、"fist-pump"や"puming one's fist"は、何度も突き上げたり、突き出したりすることが多い。このあたり、日英の表現文化の違いと言えるであろう。なお、fistは「拳」、pumpは「(ポンプで水などを)汲む、吸い出す、(空気などをポンプで)入れる」 という意味で、ポンプを上げ下げする動作に由来していものと考えられる。
明後日、両チームはボストンに移動し、第6戦が行われる予定だ。二人の日本人投手の"fist-pump"がテレビ等の画面に映し出されるとき、勝利の女神はボストンレッドソックスに微笑んでいることであろう。■
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