2020年5月25日月曜日

コロナ禍における大学•大学院教育

 今日にも東京をはじめとする首都圏で緊急事態宣言が解除されるとのことである。ニュースでは、渋谷、新宿、銀座といった繁華街での人通りが宣言前の様子に戻りつつあるようだった。
 全国の大学でも、入構制限を解除したり、対面授業すら再開したりしているところもあるようだ。本務校や非常勤先の大学は引き続きオンラインで授業を実施している。もちろん、その地域の状況により、対応はさまざまであろう。いまだ抗ウィルス薬やワクチンが開発途上の段階では、オンライン授業を継続するのが(個人的には)妥当な判断と言える。
 そのオンライン授業もそろそろ5回目となる。変則的な授業形態としてはじまったオンライン授業は、はじめこそ授業用プラットフォームの選定から、教材のデジタル化や通信環境の整備まで、教員も学生も戸惑いを隠せなかったが、ここにきてようやく落ち着きつつあるようだ。筆者は今年度の次の科目をオンラインで授業を実施している。
・本務校
【学部】
ELP2(演習)
【大学院】
国際コミュニケーション特論(講義)
・非常勤
【学部】
英語R&W(演習)
 このうち、学部の授業では、紙のテキストを中心に、オンラインで視聴可能な動画や音声ファイルを配信し、自学自習的に取り組むよう指示している。そのうえで、リアルタイムでの解説を加えている。その際、語彙の意味やや文法的な説明も意識している。当初不慣れなうちは、指定時間内をフルでリアルタイム授業を行ったが、テレビ会議システムを見続けるのは疲れるという意見が多数あり、大学院も含め、適当な時間でブレイクをとるようにしている。特に学部クラスであれば、その時間を少し長めにあえてとることにより、質疑応答の時間としてうまく機能している。科目の特性にもよるが、ブレイクを1回または2回程度設定し、そこを質疑応答の時間とすることはかなり教育効果を感じられることであろう。実際、対面ではなかなか質問する勇気がないような学生も気軽にチャット機能を活用して、するどい質問をしてくるのは興味深い。過日のニュース記事によれば、学生側も慣れてくると、オンデマンド式の授業ではなく、リアルタイム式の授業を求める声がでてきているようだ。これも科目の特性があり、どちらが良いということではないが、担当教員の顔が見えない授業は、やはり違和感があるのではないだろうか。オンライン授業の長期化により、学生側の通信環境の問題等があり、そのあたりを丁寧にケアする必要もあるが、部分的にでもリアルタイムの時間を導入し、自学自習的な課題学習の時間と併用するのがよいであろう。
 さすがに大学院は少人数のゼミ形式であるため、ほぼ通常の対面式とそれほどかわらない印象だ。もちろん履修学生の質の高さ(今年度もとても優秀!)にも依存するが、講義>課題(研究)>プレゼン>ディスカッション>考察とまとめまでの一連のながれはオンラインでも十分実施可能である。特に人文社会科学系であれば、欧米のDistance Educationのように、遠隔授業での履修が今後どんどん正規科目化されるのではなかろうか。米国のミシガン大学では、Online Degree(s)として、MBAや工学修士プログラムまで用意されている。
https://online.umich.edu/online-degrees/

s/s

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