2014年5月18日日曜日

ことばと文化の一筆箋(19)「五月晴れ」と「さわやか」



■日曜の午後、心地よい風に誘われるかのように、散歩を兼ねて和菓子を買いにでかけた。上を見上げると、澄み渡る、さわやかな空が広がり、まさに「(梅雨前の)五月晴れのようだ」と心でつぶやいた・・・その時、はたして今が5月だから、快晴を「五月晴れ」と呼んでいいのか、それとも、もうすぐやってくる梅雨の時期に、つかの間の晴れの日こそが「五月晴れ」なのか、気になった。近所の和菓子司で目あてにしていたかしわ餅(個人的にみそ餡が好みだ)を買い求め、自宅で意味を確認した。
  広辞苑では、①さみだれの晴れ間、②五月の空の晴れわたること、と両方明記されている。NHK放送研究所でも、「新暦の5月の晴れ」の意味をもとは誤用であったとした上で、その誤用が定着したと指摘している。
[五月晴れの使い方は?](NHK放送研究所ホームページ)
http://www.nhk.or.jp/bunken/summary/kotoba/gimon/097.html
 なお、上記サイトで、同様の誤用が定着(?)している他の事例として、「さわやか」を挙げている。それによると、「さわやかな」は 秋の季語であるそうだ。つまり、今日の東京の陽気では、思わず「さわなかな風薫る五月晴れの空のもと、、、」などとしたくなるところだが、日本語に繊細な方であれば、抵抗を感じることであろう。筆者自身の無学さを恥じ入るとともに、これを機に、日本語表現に気を付けたいと思う。
 これは、余談であるが、かしわ餅には一般に小豆餡とみそ餡がある。通例(肉まんとあんまんの印のように)見分けるために、かしわの葉の表を上に巻いてあれば小豆餡、裏を上に巻いてあればみそ餡というようにしてあるそうだ。■


 かしわ餅(みそ餡)
※和菓子司・浜屋製



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